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「マタハラ」の判断基準
2015.03.31

厚生労働省が,平成27年3月30日,「妊娠や出産、育休から1年以内の不利益な扱いは原則、違法とみなす。」という通達を出しました。

 

妊娠中の軽易な業務への転換に際して降格された女性が,育児休業の終了後も,元の職位に復帰できなかった事例において,平成26年10月23日,最高裁判所判決が,男女雇用機会均等法9条3項に違反する可能性があるとして,高等裁判所へ差戻しをする判決をしたことを踏まえて,男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法の解釈通達を改正したとのことです。

 

 

最高裁判所の判決によれば,「男女雇用機会均等法第9条3項は,強行規定であって,妊娠,出産,産前休業の請求,産前産後の休業又は軽易業務への転換等を理由として解雇その他不利益な取扱をすることは同項違反で違法であり,原則,無効」とされています。

しかし,原則があれば例外があり。

判決でも,例外的に許される場合が示されています。

 

どういう事情があれば,「例外」に該当するのか判断が難しいですが,原則,無効とされる「妊娠・出産・育児等の事由を「理由として」不利益扱いをした場合」も,どういう場合が「理由として」なのか判断が難しいところです。

 

厚生労働省は,平成27年1月23日,最高裁判所判決の原則・例外に対応するように「改正雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の施行について」及び「育児休業・介護等又は家族を行う労働者の福祉に関する法律の施行ついて」(法律の名前が長いですね・・・)の解釈通達を改正しました。

 

さらに,厚生労働省は,原則として、妊娠・出産 ・育休等の事由終了から1年以内 に不利益取扱いがなされた場合は「契機として」=「理由として」いると判断すると公表したことは,判断基準がわかりやすくなったと思います。