子のいる夫婦が別居状態となった場合は婚姻費用分担請求,離婚した場合は養育費の請求ができることとなっています。
婚姻費用や養育費の額は,夫婦間の協議で定めるとされていますが,協議が整わないときや,協議ができないときは,家庭裁判所が定めるとされています(民法766条)。
これまで,家庭裁判所が婚姻費用・養育費を定める際に使用されていた基準(いわゆる「算定表」)の新しい基準が,令和元年12月23日,最高裁判所のHPで公表されました。
http://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/youikuhi_santei_hyou/
新しい基準によるポイントは以下のとおり。
○ 社会情勢等の変化により,16年ぶりの見直しとなったものですが,通信費について個々人がスマートフォンを持つようになっていることや,子どもの教育費の増加などにより,従前の基準より概ね1~2万円増加しています。
○ 養育費の支払いの終期は,「未成熟子を脱する時期」であることから,これまで,「未成熟子を脱する時期」=成人=20歳までとされることが多かったのですが,令和 年に成人年齢が20歳から18歳と改正された以後も,「未成熟子を脱する時期」は20歳と考えるとあります。
これまでも,「大学卒業時まで」と取り決められることもあり,「未成熟子を脱する時期」は個別事情によって判断されることは変わりないようです。
○ 婚姻費用・養育費の新算定表によって,これまでの算定表で取り決めた金額と変更されることになったとしても,「新算定表の発表」じたいは事情変更には該当しないと明言されています。